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トラブル分析事例 ボイラ水・冷却水 編

塩分増加による補助ボイラの水側の腐食・孔食
塩化物イオン濃度の推移
現象
ドックでの検査時に補助ボイラの水側・蒸気側に多数の錆こぶがあり、その下部に腐食・孔食が認められました。また硬質のスケールが付着していました。
分析
水質分析を実施しました。
結果
腐食・孔食部は破孔には至っていませんでしたが、溶存酸素や塩化物イオンによる腐食と考えられました。
水質分析の結果、2014年3月頃に塩化物イオンが非常に高かった期間があり、これが原因の一つと考えられました。

防食およびスケールの付着防止:
防食およびスケールの付着防止対策として以下をお勧めします。
・ボイラ水性状を管理範囲内に保つため、定期的に水質を測定し、必要に応じてボイラ水をブローし清缶剤を投入してください。
・溶存酸素を低減するためカスケードタンクの水温はできるだけ高く管理してください。
・給水には脱酸素剤の使用をお勧めします。

冷却水に油分が混入
現象
冷却水膨張タンクに潤滑油と思われる漏洩油が確認されました。この膨張タンクは発電機や圧縮機で共用されています。
漏洩油の特定を行うために数種類の機器で使用されている潤滑油を分析し、漏洩油を特定しました。
分析
GC-MSにより漏洩油と数種類の潤滑油の成分を比較しました。
結果
分析の結果、漏洩油は発電機システム油と最も似ていることがわかりました。

冷却水膨張タンク漏油と潤滑油の比較(GC-MS分析)

塩分による船舶の非常用発電機ラジエータの腐食
腐食したラジエータの外観(部分)とフィンの腐食部分と付着物の拡大
現象
非常用発電機の定期負荷試験時にラジエータから漏水が発生し、その付近の金属フィンが非常に脆くなっていることが確認されました。
分析
光学顕微鏡による観察と走査型電子顕微鏡SEM-EDSによる表面元素分析を実施しました。
結果
顕微鏡観察によりフィンが接合していた付近の白色物質の高さを計測したところ、厚さ約100~200μmの白色物質の付着が確認されました。
SEM-EDXによる分析の結果から、白色の付着物からナトリウムと塩素が検出され、さらにフィンの母材材質である亜鉛が検出されました。
非常用発電機は海水飛沫がかかりやすい場所に設置されているため、ラジエータに海水飛沫が付着し母材が腐食したと考えられました。